「人権文化をすすめる市民運動」推進強調月間   比延地区人権講演会

8月10日(水)鹿野町公民館に於いて、月間講演会を行いました。

〇 比延地区小・中学生による人権作文の朗読

・双葉小学校 6年生 藤平 庵李さん 『幸せに生きるために』

・比延小学校 6年生 村井 愛奈さん 『三つの輪』

・西脇東中学校 2年生 長井 清奈さん 『祖父母の話から』

物事を素直に受け止め、みんなで力を合わせて差別をなくしていこうとする3人の気持ちが伝わってくる朗読でした。

〇 講演会

演 題 「大丈夫、働けます ~人と組織が幸せになる仕事のつくり方~ 」

講 師  成澤 俊輔 さん(NPO法人FDA理事)

講師紹介

  1985年、佐賀県に生まれる。徐々に視力を失う難病、網膜色素変性症を持つことになり、視覚障害による孤独感や挫折感から大学在学中に2年間ひきこもるが克服して、経営コンサルティング会社でのインターン経験などを重ね、2009年に独立。

 だが、それらを克服し、2011年12月、就労困難者の就労支援と雇用創造をするNPO法人FDAの事務局長に就任。就労困難者の「強み」に焦点をあてた、相互に働きやすい環境づくりに取り組む。キャッチコピーは「世界一明るい視覚障がい者」

 2016年8月より同法人の理事長に就任。2020年4月に事業承継をし、現在は約60社の経営者の伴奏を行う。

 講演をお聞きし、やはりキャチコピー通りの人だなと思いました。明るくお元気で、何より前向きに考え取り組まれていることがひしひしと伝わってきました。

成澤さんの言葉は、意表を突かれるものが多く驚いてばかりでした。最初に驚いた言葉は、「私は、見えない今の生活が大好きです。」というものです。

 見えるといろんな情報が目から入ると、他人と比較することになり不安が募る。でも、見えないと外からの情報が何もないので、自分が思う良いイメージで考えることができる。今こうして話しているときも、皆さんの反応が分からないので、皆さんが楽しんで聞いてくださっていると、よいイメージを勝手に想像し、楽しんで話すことができます。

 こんな具合に、自分の良いイメージを持ちながら、また、自分を褒める材料を探しながら活動されているようです。

 また、こんなことも言われました。「できない事が一つ増えると、できる事が一つ増える。」「ネガティブな体験が増えると、誰かと分かり合える。」など、マイナスなこともプラスに考えることで、日々前進されています。

 『捉え直す』というお話もありました。 ①勉強(学ぶこと)では、問いを見つける。 ②アウトプット…違う結果のためには違う行動をする。 ③未来を変えるためには、経験を変える。など、捉え直す観点をお聞きしました。

 まだまだ、考え方のポイントやヒントなど、たくさん心に残る話がありました。自分が、いかに一方的な方向でしか物事を見てなかがよく分かりました。どんなに苦境に立つことになったとしても、どう考えるか心持ち一つで、可能性はいくらでも広がっていくとも感じました。でも、今までの考え方を変えたり、常に前向きに考えたりするということはとても難しいことです。いろんな苦難に立ちながらも、それを乗り越え、前向きに考え活動されている成澤さんはやはりすごい人です。私自身も、こんなものだ、しかたないなどと留まるのではなく、少しでも自分のものの捉え方を変えながら行動していきたいと思いました。

 コロナ禍で、3年前から講演をお願いし、やっとお話を聞くことができました。今回は公民館内だけでなく、オンラインでも配信し、安全により多くの人に聞いていただくことができました。きっと、多くの方に成澤さんの声が届いたことでしょう。