比延地区町別人権研修会

今年度も町別学習会が9月24日(土)住吉町をかわきりにすべての町で行われました。塚口町と鹿野町は場所や人数の関係で合同開催という形をとりましたが、各町とも熱心に取り組んでいただきました。DVDを視聴した町が多く、中でも「あなたの笑顔がくれたもの」を選ばれたのが5町あり「ヤングケアラー」という新たな人権課題にも前向きに取り組もうという姿勢が見られました。

○DVD「あなたの笑顔がくれたもの~まわりから見えにくい障がい・生きづらさ~」視聴・意見交流

〈DVDの紹介〉

主人公は、大人になってから発達障がいと診断された幼馴染やオストメイト(人工肛門保有者)の女子高生、祖母の介護をしている職場の後輩など、それぞれまわりからは見えにくい生きづらさを抱えている3人との関わり合いによって、自分の思い込みに気付き自分が変わろうと決意する。外見で決めつけたり、「障がい者」や「ヤングケアラー」などカテゴリーで人を判断せず、一人ひとりが考え方や感じ方も違う人間であることを理解して向き合うことが大切であることを学ぶことができる。

住吉町      9月24日(土) 住吉農村公園管理棟

堀町       9月30日(金) 堀町公民館   

鹿野町・塚口町  10月14日(金) 鹿野町公民館

比延町      11月8日(火) 比延町公民館

上比延町     11月24日(木) 上比延町公民館

〈参加者の意見〉

・障がいや生きずらさがあってもなくても、決めつけで見ていくことは、人を傷つけるということが分かった。

・周りから見えない面もあるが、その人の立場に立って発言しないといけない。

・声を上げる仕組みを作る必要がある。

・周りの人とコミュニケーションをとることで相互に理解しあうことが出来る。

○DVD[私たちが伝えたい、大切なこと~アニメで見る全国中学生人権作文コンテスト入賞作品~」視聴・意見交流   

中畑町 10月13日(木)

〈DVDの紹介〉

3人の中学生が書いた人権作文を基に作られたアニメ「差別のない世界へ」「手伝えることはありますか」「共に生きるということ」の3部で構成されている。「差別のない世界へ」は、肌の色や髪の毛が違っていてもみんな同じ心をもった人間なのだから、相手の気持ちを思いやり相手の立場に立って考えればいじめや差別はなくなると訴えている。「手伝えることはありますか」は、仕事中の事故で右手をなくした父の姿から学んだ障がいについての考えを綴っている。「共に生きるということ」は、人権学習で目の不自由なゲストティーチャーから学んだ人との接し方について綴られている。

〈参加者の意見〉

・自分の考えを相手に正しく伝えることが大切である。

・子どもと一緒にこのようなDVDを見るとよいと思う。

・相手の立場に立つことは難しいが大切である。 

○講演「みんなを笑顔にする部落問題への取組 ~50年の取組の成果を土台に展望を開く~」      春川 政信さん

高嶋町 11月5日(土) 高嶋町公民館

〈講演内容〉

この50年の部落差別解消のための取組で、「部落差別はいけない」という市民意識が形成された。高校進学率の格差もなくなり、地区の生活環境も改善した。2016年には部落差別解消推進法も成立施行された。人権教育や地域・職場研修が充実して、差別事象が起きても差別を見抜いてきちんと指摘できるようになってきた。部落問題を解決することが、市民みんなの幸せにつながっていくように力を合わせて頑張っていこう。

水平社宣言から100年という年月が経った今日も、インターネットを利用した差別や結婚時の身元調査などがまだあると聞くと、根絶することが難しいのではと暗い気分になってしまいがちですが、春川先生の講演を聞いてとても勇気づけられました。すべての人の幸せを願いながら自分にできることをやっていきたいと思いました。

  

今年度の町別学習会は、グループでの話し合いを取り入れた町がたくさんありました。とても和やかな雰囲気で話し合われていたのが印象に残っています。これからもコミュニケーションの輪が広がっていくといいなあと思いました。